カキについて
カキ(カキ目イタボガキ科)グリコーゲンをたっぷりと含むカキは、疲労回復や肝臓の働きを助けるとされます。「海のミルク」といわれる由縁です。エゾガキとかナガガキとか様々な呼び名がありますが、基本的には同一種で「マガキ」です。北海道では、様々な地域で養殖がなされていますが、海水温が冷たいことから、日本で唯一年間を通じて食すことができることや、その身の美味しさから全国的に有名なのが厚岸(あっけし)産です。
そうは言っても、貝の生誕の地は宮城です。つまり、宮城産の稚貝を買って養殖しています。現在、別のところからの導入の動きもありますが、ほぼ100%宮城産と考えて差し支えありません。
ただし、移動しないカキは場所によってその成長が全く異なります。「あっけし」の地名の由来は、アイヌ語の「アッケシ・イ=カキのあるところ」から来ているだけに、その海流や気候はカキ養殖には最適とされています。明治末期に取り過ぎにより枯渇してしまった天然の厚岸産カキが、宮城産に替ってもその身の美味しさには変わりはありません。
「月の名前にRが付かない月には食べるな」と西洋で言われていますが、これは5月〜8月までが産卵期で味が落ちるところから来ています。秋の終わり頃から産卵に備え肥りはじめ、寒い間が美味しい。ちなみに、カキの生食用と加熱用の違いは鮮度の違いではなく、細菌数の違いです。鮮度が良くても加熱用のカキを生で食べてはいけません。


カキの扱い方
殻のふくらんだ方を下に、ちょうつがいを手前にして持ちます。貝割りまたはナイフを右側から差し込みます。
上の殻の縁に貝割りを沿わせるようにして、貝柱をそぎ取り、殻をこじ開けます。
身の下に貝割りを入れて、殻に沿って動かしながら身をはずします。






カキのむき身の扱い方1
生で食す場合は、大根おろしの中に入れて指先で軽く混ぜ、カキの汚れを落とします。
大根おろしに汚れが移って、濁ってきたら海水程度の塩水で洗い流し、キッチンペーパーなどの上に取り出し、しっかりと水気を拭き取ります。
写真右は貝割りです。あまりご家庭にあるという方はいらっしゃらないと思いますが、あるととても便利です。






カキのむき身の扱い方2
加熱して食べる場合は、海水程度の塩水の中で洗い、ぬめりや汚れを取ります。水を替えてよくすすぎ、最後に水気をしっかり拭き取ります。

